LawDesiGn

There is nothing to writing. All you do is to sit down at typewriter, and bleed. - Ernest Hemingway

竜血樹

この写真、「幽遊白書」っていう漫画に出てくる魔界の入り口にそっくり。

幽☆遊☆白書 - Wikipedia

ジャンプに1990年から1994年にかけて連載された漫画。

この魔界の入り口は、仙水と幽助が最後にバトルした場所だよね。
樹液が真っ赤って、血が流れている木みたいね。そういうのちゃんとモチーフとして使われているんだ。

コミック全巻持ってたんだけど、もう売ってしまった。 今思い出して興味深いなーと思うのは、仙水が霊界探偵に選ばれてから人間を破滅させようとするまでの過程、それから樹との関係。

確か、仙水は正義感あふれる高校生だったのよね、一生懸命人間を襲う妖怪を倒してたのよ、「人間を守るんだ、僕は!」的なとても純粋な高校生だった。
ところが、あるとき人間の裏社会を見ちゃうのよね、人間が人間を弄んで殺すみたいな、そういう姿。それで、仙水はその場にいた人間をみんな殺してしまう。その後姿を消すんじゃなかったかな、んで、幽助の前に再登場してきたときには、仲間集めて人間全部を殺そうとしてた、と。

今考えるとお粗末ねー
単に弱いあまちゃんだ。
同時に「正義感」のような絶対的な思想を子供に持たせることがどんなに怖いことか、それを感じずにはいられない。

それよりも、樹が気になる。
樹は確かねー、堕ちてく仙水をただ側で見守りたかった、そんな感じのことを言ってたよね。 それで、最後、仙水の死体は誰にも渡さないって言って二人で亜空間に消えてくのよ。
あの心理は何なんだろう。

樹は中性的だけど、男だよね。 でも、仙水に対する気持ちって恋愛感情に見えるよね。樹がどうやって生きてきたのか興味がある。
好きな相手と一緒に堕落していくのを楽しんでしまう、って男女関係でも似た感じのもの、たくさんあるよね。太宰とか。
厭世的になる気持ちは分かる。 でも、その気持ちを自分の中で昇華させられず他人を使って解消しようとする人間はどうしようもない、というのが今の感想。

今読んでる本のひとつがファスト&スロー。

ファスト&スロー (上)

ファスト&スロー (上)

私たちは、人生で信じていることのうち最も重要ないくつかについては、何の証拠も持ち合わせていない。ただ愛する人や信頼する人がそう信じている、ということだけが拠りどころになっている。自信を持つことはたしかに大切ではあるが、私たちが知っていることがいかに少ないかを考えたら、自分の意見に自信を持つなど言語道断と言わねばならない。

p304より引用

これ、結論はその通りだと思う。
でも、経済寄りの心理学者の論理なのかな、と思った。

ただ愛する人や信頼する人がそう信じている、それこそが最後の拠りどころ。
これ以上、確実な証拠が一体どこにあるだろうか。 そう思う。