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There is nothing to writing. All you do is to sit down at typewriter, and bleed. - Ernest Hemingway

仮説形成とは、仮説から証拠を導出する演繹である

5/14のエントリで書いた疑問について、「論理トレーニング101題」に、より詳しい説明がのっていました。

5/14の疑問というのは、「証拠から仮説を導く過程を三段論法の形式で書くとどうなるか」というもの。

これについて、117頁に次のように説明されていました。

仮説は証拠となることがらを説明する。…ここでは、「説明」とは、仮説に適切な前提を補うことによって証拠となることがらを演繹することにほかならない。それゆえ、おおざっぱに言えば、推測と演繹は互いに逆方向の導出となる。

「仮説形成とは、証拠という結論と大前提から、小前提である仮説となる事柄を推測すること」であるから、これを三段論法の形式にのせると、①結論部分に証拠を、②小前提部分に仮説を、③大前提部分に隠れた前提を書くことになる。 なので、

③前提:
②仮説:私は、虫垂炎かもしれない
①証拠:私は、下腹が痛い

となり、③に入る隠れた前提は「虫垂炎十分条件)→下腹が痛い(必要条件)」となる、①が答えとなる。

これは「下腹が痛くない→虫垂炎ではない」ことであり、下腹が痛い原因は虫垂炎以外にも、ある程度の確率で考えられるので、この点が反論のポイントとなる、ということかな。

5/14のエントリの解答は、 仮説形成の大前提を明らかにする作業と、その大前提に対する反論を取り違えたことが、間違いの原因ということでした。

こうやって、推測や推論を三段論法の形式に書きかえることは、判例の構造を読みとる練習になります。 伊藤滋夫著「民事法学入門」には「判例を読むとは、判例を三段論法に書きかえること」という趣旨の記載があり、非常に参考になりました。

推測を三段論法の形式で書き換える点については、とりあえずの回答を出すことができたようだ。 あとは、必要条件・十分条件と原因・結果の関係がどうなっているか、だなー。

参考リンク

「原因→結果」の因果関係を必要条件と十分条件で表せるか? - LawDesiGn