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There is nothing to writing. All you do is to sit down at typewriter, and bleed. - Ernest Hemingway

「デス・ビリヤード」

「デス・ビリヤード」見ました。
このアニメは、文化庁が2010年から行っている「アニメミライ」という若手クリエイター育成プロジェクトの参加作品の一つ。 詳しくはこちらの公式サイトをどうぞ。

アニメミライ[ animemirai ]

「デス・ビリヤード」は、一人の若者とお爺さんがとあるバーに着いたところから話が始まります。二人はそこでバーテンダーにいきなりこう宣告される。

「今から命をかけてビリヤードをして頂きます。」
「そして、ゲームが終わるまでここから出ることはできません。」

訳の分からない二人は当然拒否します。でも、ゲームをしないとこうなります、と言ってバーテンダーに見せられた扉の先には天井から吊るされた大量の首つり死体が、、。結局二人は強制的に命をかけたゲームに参加させられることになります。
さて、その勝敗は?というお話。
25分程度のストーリーですが、とても楽しめました。

以下、内容に関する記載があります。

これはいわゆるリドルストーリーと呼ばれるもので、結論は明示されず見た人それぞれがいろんな解釈をして楽しむ、という種類の話。 ネット上でもいろんな解釈が繰り広げられている様子。 例えば、こちらとか。

アニメミライ2013「デスビリヤード」モヤモヤする謎の部分を考えてみる : 中国アニメブログ ちゃにめ!

私が見終わった時の感想はこんな感じでした。

まず思ったことは、若い男性が現世に戻れたのだとすると、彼の今後の人生にとってこのバーでの経験はすごくいいものになるだろうな、ということ。自分が誰かを殺してしまった、そして自分ももう既に死を迎えていたことを知る。こういう状況から生き返ることが出来たら、その後の生き方は180度変わるだろうな、と。

そして、バーテンダーの「このバーに来た時点で二人は平等だ。」という言葉と、最後のシーンでバーテンダーの手に残される赤と青の心臓の絵が書かれたボール。この二つから素直に考えると、二人とも初めから生き返ることが前提だったのだろうな、と。

だけど、このまま二人が生き返ったのでは、若者の方にメリットがありすぎる。だって若者の方が残された人生が長いから。
むー、二人の命は平等なはずだけど、と思いながら見てたけど、二人が生きてきた人生が振り返られるシーンを見て納得できた。

どうやらお爺さんは愛妻家で真面目に生きてきた様子、かつ戦争を体験していて既に死に直面した経験もある。これに対して、若い男性は浮気が原因で恋人に刺されたのがその死因。それまでも普通のいわゆる「若者」として生きてきた様子。

それでも二人は平等だと判断されてこのバーにいる、ということは、お爺さんの死因は天寿によるもので本来はもう生きられないはずだったのだろう、それでも寿命を伸ばしてもらって生き返ることができる。バーテンダーとお爺さんの謎の会話は、その交渉だったのじゃないだろか。

ただ、最後に残る謎は、お爺さんが乗るエレベーターには般若の面、若い男性が乗るエレベーターにはお多福の面がつけられていることなんだけれど…。 これは、この世は地獄でもあり天国でもある、ということの表現かな、との結論に至りました。

ちなみに、上で引用したブログに書かれていた「女か虎か」。
私は最初ストーリーを読んで、王女が右を指したなら男は当然左に行くだろう、と思った。

…のだけど、よくよくストーリー読んだら男は王女が指した右を行くのね(笑)。
なら、出てくるのは当然女でしょ。
なんじゃこりゃ(笑)。