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There is nothing to writing. All you do is to sit down at typewriter, and bleed. - Ernest Hemingway

2013-01-01から1年間の記事一覧

誰を被告にすべき?−民法714条と主観的予備的併合

(民事系例題)小学5年生のAは、自宅で父B及び母Cが不在中に仏壇に置いてあるマッチを点火して遊んでいた際、誤って火の付いたマッチ棒を床に落とし、自宅を全焼させてしまった上、隣家Dの自宅も全焼させてしまった。Dが、A,B,Cらに訴訟を提起す…

産業再生機構とKanebo bailout―悩ましすぎるofとか

■ 昨日のエントリの続き。 債務超過に陥った企業を立て直し再生させるには、まず抱えている債務を減らすことが必要。 その方法として私的整理と法的整理の2種類がある。前者は債権者の同意を得て債務を減らす方法で、後者は裁判所の関与の下、債権者の同意と…

「企業再生とM&Aのすべて」(藤原総一郎著)

■ 久しぶりに、この本を読み返してみた。 企業再生とM&Aのすべて (文春新書)作者: 藤原総一郎出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2005/05/20メディア: 新書購入: 1人 クリック: 7回この商品を含むブログ (6件) を見る 発刊されたのが会社法改正前なので現行法…

物権と債権、そして物権から債権化への流れ

■ 「この世の全ての事象を権利と義務で説明しようという、物理学にも比すべき壮大な営為」 法学を定義してこう書いていらしたのは、確か内田貴先生だった気がする。 ■ 物権と債権について復習がてらアウトラインを書いていたら、いろいろ広がってきちゃって…

「長い間考え続けてきたことの答えの一端に、ほんのちょっとだけ手が触れたような気がした。」

■ とてもびっくりしている。 それは、もう、とても。 Tak.(@takwordpiece)さんのブログを読んで、こう思う人は少なくないんじゃないのかな。 アウトライナーとEvernote、記憶と思考、体系と破壊:Word Piece >>by Tak.:So-netブログ 教科書でも参考書でも、…

口述筆記はなぜ幼稚になるのか

■ IPhoneの音声認識で書いた文章というのは、文字を見ながら書く文章に比べて、あほになるのね。で、その原因をこんな早朝から考えている。 ここで、あほになる、というのは一言でいうと「文章全体がだらだらと長い、しかもつながってない」。 つまり、 前の…

非典型担保の整理と、口述筆記について少し。

■ 非典型担保を整理してみました。 個人的にとても好きな「基本民法Ⅲ」(大村敦志著)の該当部分を要約して、ちょっとだけどこからか聞いた知識を足したものです。基本民法〈3〉債権総論・担保物権作者: 大村敦志出版社/メーカー: 有斐閣発売日: 2005/05メデ…

目に見えるカタチは時としてその内実を表す、ということーEvernoteとアウトライナー

■ Evernoteとアウトライナーの役割分担についてのエントリは「word piece」の中でも特に好きな記事の一つ。アウトライナー・フリーク的Evernote論:Word Piece >>by Tak.:So-netブログこのエントリの中でTak.さん(@takwordpiece)は、Evernoteを記憶のための…

「社会契約論−ホッブズ、ヒューム、ルソー、ロールズ」(重田園江著)

社会契約論: ホッブズ、ヒューム、ルソー、ロールズ (ちくま新書 1039)作者: 重田園江出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2013/11/05メディア: 単行本この商品を含むブログ (15件) を見る■ 人と人がうまくやっていくってどうしたらいいんだろう? 人間って利…

民訴百選A6 相続財産管理人の地位−本当に意味のない議論?

■ 民訴百選A6の判例きらい。 実質意味がある議論じゃないとか言われながら、けど、いつも基本的な理解が足りてないって思わせられる。民訴法上も民法上も。■ まず、本件の民訴法上の問題は、相続財産管理人が自己を原告としてした訴えが適法なのか、不適法な…

断片であること

■ 自分のモノの考え方をふと振り返ってみて、 必死でいろんなものの間に共通項を探しているんだなぁ、と、 思わず苦笑してしまう。違うものと違うもの。 その上位概念を探して、どこかにつながりを見つけようとする。 つながりがなければ、創る。 それがたと…

2013/11/22(金)

倉下忠憲さん(@rashita2)さんのブログ「R-style」にインスパイアされて。靴下とその内側に潜む悲劇 ■ 来世は靴下に生まれるのも悪くない。そう思う。生まれたときから、一緒に生きてくれる相方が、当然のようにそこに存在して、 その相方がいなければ、自分…

続・続 補助参加の利益−最終章の予感

長々、悶々と私の中にくすぶり続けた補助参加の利益ですが、補助参加の利益−訴訟の結果について「利害関係」、の範囲 - LawDesiGn 続・補助参加の利益−百選A39事件のあてはめを考える - LawDesiGn… ありました。 疑問に答えてくれる判例評釈。 その名も、判…

窮鼠猫を噛んじゃうぞ的な、−アメリカの情報独占に対する途上国の戦略

TRIPS協定? ずいぶんマイナーねー でも案外おもしろいよ?TRIPSなんて短答試験でも捨て問にしようと思ってたのだけど、ちょっと講義聞いてみたらなんやら面白い。先進国と途上国のあからさまな対立構造がみえて、世の中の縮図的なね、そんな感じがしてちょ…

続・補助参加の利益−百選A39事件のあてはめを考える

引き続き、悩んでおります。悩みの多い年頃。 こないだのエントリ、補助参加の利益−訴訟の結果「利害関係」の範囲について。 その範囲をどうやってはっきりさせてよいものやら。■ まず、補助参加の利益の範囲を、参加的効力の範囲から枠づけることってできそ…

Untamed Lion

「大人になったぼくがもうひとつ知っていることがある。 もしぼくらに人の3倍努力しなくてもできる素敵なことがあるとしたら、 その何かは、ライオンたちとつながっているということだ。」 粘土ライオンの墓場 Tak.さん(@takwordpiece)のブログ「word piece…

補助参加の利益−訴訟の結果について「利害関係」、の範囲

再び民訴42条のハナシ。 民事訴訟法42条 訴訟の結果について利害関係を有する第三者は、当事者の一方を補助するため、その訴訟に参加することができる。 ■ 「訴訟の結果について利害関係を有する第三者」とは、係属中の訴訟における訴訟物に対する判断によっ…

補助参加の利益は「訴訟物」の地位まで登れるか?

民訴で一番悩ましいタームを一つ挙げろって言われたら、迷わず「補助参加の利益」ってさけぶ。 民事訴訟法42条 訴訟の結果について利害関係を有する第三者は、当事者の一方を補助するため、その訴訟に参加することができる。 補助参加の利益とは、この「訴訟…

実体法と訴訟との境界線−形成権と狭義の権利抗弁

要件事実のテキストにこんな記載を見つけてしまったために、ここ2、3日うんうんとうなっておりました。 「売買契約は双務契約であるので、通常は売買契約の成立が立証されれば同時履行の抗弁権が存在していることが基礎付けられる 。ここで「抗弁権を基礎付…

これからの民事訴訟法(井上治典著)

これからの民事訴訟法作者: 井上治典出版社/メーカー: 日本評論社発売日: 1984/01メディア: 単行本この商品を含むブログを見る■ 約30年前に書かれた書籍だが、今読んでも全く古さを感じさせない。民事訴訟手続も当事者間の紛争解決の一過程にすぎないとして…

マンダラートの「哲学」性-de(否定)+sein(存在)

デザインとは何か ― デザインの哲学的意味論について http://www.ashida.info/blog/2010/09/post_396.html 芦田宏直先生(@jai_an)の上記講義を見て、以前から頭の中にくすぶっていたマンダラートのあのデザインと哲学との関係にひとつの答えを見つけた。 …

情報の再構築

お気に入りの記事の紹介。 隙間時間を徹底的に利用したポメラによるアウトプット術 http://pomera.fukup.info/014.html 読んだ本を血肉にするために文章を書きたい。 なので、知的生産系の情報はビジネスパーソンのご多分に漏れず大好き。 この記事を読んで…

もうひとつの永劫回帰-ニーチェを超えて

I know why human cry. - cited from Terminator2 http://www.youtube.com/watch?v=crE3AUTvzGw ■ 生来かかえてしまった固有の問題。それをどう自分の中で消化させるのか。 方法としては2つしかない。一つはそこから逃げること。もう一つはそれを受け入れる…

Do you know where your brain is?

Do you know where your brain is. 結局このコピーに行きつくかも。workflowyから離れられない理由。— cube (@simplesynthesis) 2013, 5月 26 人間、要は「脳みそ」がそのすべてを形づくっているわけで。 自分のアタマを真っ白い紙の上に一元的に可視化した…