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There is nothing to writing. All you do is to sit down at typewriter, and bleed. - Ernest Hemingway

物権と債権、そして物権から債権化への流れ

「この世の全ての事象を権利と義務で説明しようという、物理学にも比すべき壮大な営為」

法学を定義してこう書いていらしたのは、確か内田貴先生だった気がする。

物権と債権について復習がてらアウトラインを書いていたら、いろいろ広がってきちゃって、収集がつかなくなってきた。 こうなるともう文章としてまとめるのは難しいので、アウトラインのまま放り投げてみることにする。後は勝手に育ってくれることを期待。

  • 物権とは、物に対する直接的支配権
    • 直接的
      • 物権が複数の人に帰属すると、物に対する直接的支配を実現できない★
      • つまり、物権は、その対象が有体物であることが前提なので、複数人に帰属すると、その物を自分一人で自由に使うことができなくなる。
      • 有体物の使用をするには、その占有が不可欠の前提だから。
    • よって、一つの物に複数の物権は成立しない=排他性
    • これは、一物一権主義の一内容
  • 一物一権主義
    • 一物一権主義を、権利の客体の側から見ると、一つの物権の客体は、1個の物である、ことになる。
    • これが一物一権主義のもう一つの内容。物と権利は1:1対応。
    • これが原則。
  • 抵当目的物の拡大
    • ただ、抵当権のところを見てて思うのは、物権の客体が拡大されてるなってこと。
    • 付加一体物に従たる権利やを含めるところや、法定地上権も抵当権の客体の拡大。
    • 大村民法では、一括競売(392)は、競売権の範囲で土地抵当権の効力が建物にも及ぶと記載されているから、これは一物一権主義の例外と位置付けてると読める。
      • 日本の民法では土地と建物は別個の不動産。
  • 一物一権主義による歯止め
  • 合有・総有ー物全体に対する所有権という実態の説明概念
    • 合有や総有というのは、複数の人がもつ物を集めてメンバー皆で利用できるようにしようというのが基本的な発想。
    • なので、集めた物を簡単に売ったり、返してくれって言うことはできないことになっている。
      • 持分処分の自由、分割請求権の制限(676)
    • これを債権でやったのがプール。
      • プールの目的は、もともとは参入障壁をつくり、自分たちの市場競争力を維持するための仕組み。
        • 利用メンバーの限定という側面の利用。
        • 情報の私有・共有・公有からエジソンの話引用。
      • 現在では投資のスキームとして使われもする=証券化=流動化 "投資<融資"
        • メンバーの流動化が目的。
        • 知的財産権を金融商品にするスキーム
          • 資産流動化対象資産としての知的財産 http://www.iip.or.jp/summary/pdf/detail03j/15_20.pdf
          • 資産流動化の方法
            • 社債の発行
              • 流動化対象資産のキャッシュフローを裏付けにして社債発行
              • 国債との比較
                • 流動化対象資産は国の信用
                  • 実体はあるの?
                • 国のデフォルトとは?
                  • 国家が債務超過に陥る過程
                  • 経常収支赤字=資本収支黒字
                    • =輸入した物の代金支払のために他国から借金
                  • 通貨危機の話★
            • 実際は証券を発行せずノンリコースローン
              • 責任財産」の対象を特定の資産に限定する「融資」
            • 倒産離隔との違い?
              • =原債務者の保護のため、責任財産をSPC保有財産に限定
              • 法人格否認の法理が適用される事例との比較
                • 別法人格の意味
                  • 財産の帰属主体を変える
                  • →財産の独立
                  • →権利関係の単純化
            • 担保物権との違い
              • 担保目的物からの回収
              • 一般財産からの回収
                • その一般財産の範囲を限定するもの
                • =担保ない上に執行対象財産も限定
                  • そのために証券化
                    • デフォルトになったら回収困難
                    • デフォルト前に投資を回収する機能
  • 債権化
    • 物権から債権の流れ。
      • 流動化=譲渡→そのための証券化
    • 抵当権の交換価値の側面が重視されて、物上代位の範囲が拡張されていること。これも物権の債権化の流れといえる。
    • 島並先生の「物権的構成の限界」がとても興味深い。
      • 知的財産権が物権的に構成されている理由は?
        • 独占排他権という効果に着目→排他権を解除するには、個別の契約によることが前提。
        • 大量取引には向かない。
        • JASRAC
          • 著作権が許諾権から報酬請求権と転化しているのも物権から債権への流れ。
      • 直接支配性から排他性が導かれる理由
        • 有体物では、占有が不可欠で、占有は一人にしか帰属しえないから。
        • これに対して、無体物では、占有が不可欠でない。だから、複数人に同時に知財権が帰属しても、知財の直接的支配は害されない。
      • とすると、物権の直接支配性から、排他性が導かれる、というのは無体物については当然成り立つ命題ではない。
      • 知財の排他性の根拠は政策にすぎない。物権的構成の限界とは?
  • 人を介在しない物権から、人を介在する債権化への流れ。
    • 不動産価値の下落
    • 人からの回収
      • 債権譲渡=デフォルトリスクの移転

物権と債権って、人と人との関係の説明にも使える気がしてる。
そんな風に、単純化したい。
単純化できたら、もっと分かるし、きっとラク。